先日、フィンランドの小学校にインターンシップへ行きました。
インターンシップは、前回のブログに書いたフィンランド語学学校のプログラムの一環で、生徒は2週間のインターンシップを受けることになっています。
インターンシップ先は、将来自分の就職したい職業に関係した会社を自分で探します。
インターンシップなので、もちろん無償ですが、移民の私たちにとって知らない土地で探すというのは大変でした。直接会社に訪問して、つたないフィンランド語で「インターンシップをさせてほしい」とお願いしましたが、たいてい、忙しいと断られました。
いくら無償でも、外国人に丁寧に仕事を見せたり教えたりする余裕のある会社はなかなかないのは理解できます。 頭ではわかっていますが、断られると心折れました笑
それでも、みんな知り合いにお願いしたりしながら、なんとかインターンシップを見つけました。
そして、私は、世界でもトップレベルのフィンランド教育に興味があったので、知り合いに紹介してもらった小学校でインターンシップをすることになりました。
私の担当したクラスは小学校1年生のクラスでした。
20人ほどのクラスでした。私が通っていた小学校は40人超えていたので、その半数です。
感想としては、担任の先生のマネージメント力が問われるなと感じました。
特徴として2つあげたいと思います。
① 授業の時間割が決まっていない。
特に1年生は時間割がきっちり決まっていないそうです。
生徒の様子を見ながら、授業を進めているそうです。
1コマ45分の授業の中で、違うことを3つくらいしていました。
例えば、
- 最初の10分はアルファベットの歌を唄う
- 次の15分はワークブックを使ってアルファベットを書く練習
- 終わった人から順番に3人グループに分かれてボードゲームで遊ぶ
という内容でした。
担任の先生に、「1時間で色んなことをするんですね」と聞いたところ、
「同じことをする時間は長くて15分くらいが限界だと考えています。
生徒の中には45分間ずっとじっと座っていられない子供がいて、昔はそういう生徒は“悪い生徒”と評価されていたけど、今ではそういう評価はされなくなりました。
なぜなら、7歳くらいの子供にとってそれは自然なことだと考えられるようになったから。
だから、教える側が違う方法で教えたらいいという考え方に変わりました。
この考え方は私も賛成しています。」 と言っていました。
今の日本の小学校教育がどうかはわかりませんが、私が小学生の時は、45分間ずっと座りっぱなしで集中できない子もいたように思うので、この考え方はいいなと思います。
また、
「ゲームで遊ぶのも、最初のうちは、毎回同じ人と遊ばないように、私がグループ分けをしていましたが、今では、自分から男女問わず誰とでも一緒に遊んでくれるようになりました。生徒の親も喜んでくれています。」
と話してくれました。フィンランドは世界のなかでも職業や役職によっての性差がすくない、“男女平等”の国です。小学校のこういうところでもその意識が反映されているのだなと感じました。
② 1クラスを2グループに分けて違う授業をする時間がある
フィンランドの小学校では、1クラスを2グループに分けて、
Aグループは、8時から12時まで
Bグループは、9時から13時まで
時間を1時間ずらして授業しています。
特に、1年生は、読み書きの能力の差が家庭によって大きいので、グループ分けをして、よりその子のスピードにあわせて授業を行っているそうです。
高学年になるほど、このグループ分けの授業は少なくなるそうですが、この仕組みも私には新鮮でした。先生はより丁寧に一人一人に教育できるので素晴らしいと感じました。
毎日の時間割が決まっていませんが、年間でどこまで教えるというのは決まっているので、先生個人のマネージメント力が求められますし、2グループに分けるので、さらに複雑になります。
先生にとっては大変ですが、生徒にとっては素晴らしいシステムだと思いました。
あと、先生は、ほとんど黒板を使っていませんでした。
授業の写真がこちらです。↓
プロジェクターでスクリーンに映して授業をしていました。
映像を見せたり、音楽を聞かせたりするのに効率的でいいなと思いました。
映像だと視覚、聴覚同時に情報が入ってくるので、記憶しやすいように思います。
日本語は、漢字の書き順もあるので、先生が書いて見せるのも大事かもしれません?が、フィンランド語のようなアルファベットの場合は、わざわざ先生が書いて見せる必要もないので、プロジェクターのみで授業が完結しやすいのかもしれませんね。
他にも紹介したい小学校の特徴があるので、また次回続きを書きます。
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